第2回オペラハウス

仏領期の精華
 ドンコイ通りでショッピングを楽しむ前、そのあとに必ず出会う建物、それが市民劇場(Nha Hat Thanh Pho)だ。
 1898年にフランス人の建築家フェレ(Ferret)設計で、フランス第三共和国期のバロック様式をもって建てられたこの劇場、噴水を前にした姿はじつに美しく、見る人を涼やかにさせる気品を漂わせている。

隣のカラベルホテルにも負けない存在感
隣のカラベルホテルにも負けない存在感

本場から来た
 パリもかくやと思わせる堂々の劇場だが、それもそのはず、正面部分に施された装飾は、建設当時、フランス本国から運ばれてきた。フランスはベトナムに「フランスパン」の他に、自前の美意識もまた持ち込んだのだった。

人力車がのどかなかつての市民劇場前
人力車がのどかなかつての市民劇場前

閑静な街はいま
 サイゴンのショッピングスポット、ドンコイ(旧名カチナ)通りに近く、正面向かって左に臙脂色の壁面も優美なコンチネンタル・ホテルを従えた劇場は、仏領期には黒塗りの自動車やシクロ、人力車で母国の文化の香りを懐かしむフランス人を数多く集めたにちがいない――まだバイクなどという、騒々しい乗り物がなかった時代のことである。

現在の市民劇場。威容に変わりはない
現在の市民劇場。威容に変わりはない

かつては議員も
 1955年から75年まではベトナム共和国議会として使用されていたのだが、閣僚や議員など、お歴々はここに登院するのがさぞ誇らしかったことだろう。その後、1998年にはサイゴン300周年を記念し、改修工事が行なわれて初期の姿にリフレッシュ、白亜の姿はより輝きを増した。

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s

%d bloggers like this: